「高校生と創る演劇」出演キャスト
平田舞那さん
赤石さくらさん
にインタビュー!
現実よりも“リアル”な世界
プロの演出家・スタッフと
現役高校生が創り上げる演劇

「高校生と創る演劇」とは?

「穂の国とよはし芸術劇場PLAT」が主催する、現役高校生がプロの演出家・スタッフと共に演劇を創り上げるプロジェクト。演劇経験の有無を問わずオーディションに応募でき、キャスト(演者)やスタッフ(舞台美術・衣装・広報など)として参加。稽古期間を経て同劇場で観客の前で上演します。

2019年『転校生』 撮影:伊藤華織

7回目となる今年は、地元の民話を盛り込んだオリジナル脚本『Yに浮かぶ』を上演予定。

名古屋、浜松など市外からも含め、20人以上の応募者の中から、オーディションで選ばれた高校生がキャスト・スタッフとして参加します。


もともと演劇の経験はありましたか?

平田さん:子どもの頃からお芝居を見に行ったりはしていましたが、本格的に始めたのは高校で演劇部に入ってから。このプロジェクトには昨年初めて参加し、今年で2回目です。
赤石さん:演劇は未経験で「楽しそうだな」という気軽な気持ちで応募しました。1年生の時に初参加して演劇の楽しさを知り、今年で3年連続の応募です。初めは発声の仕方など、もちろん経験者の子との差がありましたが、プロの演出家さんと一緒にやるのはみんなが初体験。大きな差を感じることはありませんでした。


オーディションってどんな感じ?

キャスト・スタッフ応募者が数人ずつのグループに分かれ、即興で演じてみたり、ゲーム感覚で和気あいあいと進むワークショップ形式。後日、演出家によって作品に合ったメンバーが選出されます。
赤石さん:いわゆる「オーディション」という感じではなく、緊張せずに楽しみながら参加しました。


稽古はどのように行われますか?

赤石さん:夏休み期間には、演出家さんが用意したメニューを高校生で集まって取り組む「自主稽古」があり、発声方法や身体の使い方を学びます。その後、台本に沿って行う「本稽古」が始まって、平日は学校終わりに18~21時まで参加。土日は10~17時まであり、週6日ほど稽古に励みます。
平田さん:私は昨年、稽古期間に学校の演劇部の練習が重なってしまい、週1~2回は稽古を休みながら部活と両立しました。演劇が好きでやっているから大変というよりは「楽しい、やりがいがある」といった気持ちが大きかったです。今年は受験勉強と重なりますが、あらかじめ対策をしておけば両方に専念できると思っています。
赤石さん:みんな、学校も学年もバラバラですが、稽古を経て千秋楽を迎える頃には、お互いに何でも言い合えるくらい絆が深まります。

高校生スタッフの役割は?

プロのスタッフと共に多岐にわたる仕事内容で、キャストをサポートします。

・舞台美術の手伝い・衣装の製作、管理・稽古の記録・欠席者、早退遅刻者の代役・SNSの投稿など広報

当日の音響・照明はプロのスタッフが行いますが、希望者は練習時にプロの隣で仕事を見学・体験させてもらえることも。

みんなで演劇を創り上げていく中で、悩んだり意見がぶつかったりすることはありますか?

赤石さん:「この役、どう演じたら良いんだろう?」といった悩みはありますが、一人で抱え込むことはありません。みんなに相談できるので、迷わず進める環境にあります。
平田さん:みんなが「一緒に創り上げていこう」という気持ちでいるので、悩んでいる子がいたらお互いに声をかけ合っています。また、上手くいかないときは、演出家の方々も伝え方を変えたりと根気強く教えてくださいます。
赤石さん:意見の違いは「そういう捉え方もあるんだ!」と受け入れ合う態勢。お互いの意見を尊重し合うので、ぶつかるということはなかったです。

2019年『転校生』 撮影:伊藤華織

”演劇の魅力“を教えてください!

赤石さん:演劇は“生”のもの。緊張感あるシーンは、役者から観客にも緊張感が伝わって、会場全体が同じ空気に包まれます。その瞬間は「来た!」と鳥肌が立つんです。みんなが同じ時間や感覚を共有するというのは、演劇ならでは。
平田さん:演劇は、映画やドラマのように撮り直しができないところが、リアルな世界に似ています。非現実的なことをリアルに表現できるのが面白い。そして、演劇を通して伝えたいメッセージをお客さんに届けることができるのが魅力。自分1人ではできないことだけど、みんなで創り上げる演劇だからこそ、できます。

このプロジェクトを通して学べたことは?

平田さん行動力です。自ら行動することで今年もこの企画に参加できたし、学校の部活では部長になれました。
赤石さんコミュニケーション能力が身についたことが1番大きいです。伝え方や人との付き合い方は学校生活でももちろん学べますが、親や先生とは違う“大人”からも学ぶことができて、社会とのつながりを意識しました。それを、仲間たちと一緒に学べたことが良かったです。

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、公演に関する情報は変更になる場合があります。詳細は劇場HPをご確認下さい。 HP
PROFILE
平田舞那さん(左)
高校3年生。2019年度『転校生』に続き、2020年度もキャストとして参加予定。
赤石さくらさん(右)
高校3年生。2018年度『滅びの子らに星の祈りを』、2019年度『転校生』に続き、2020年度もキャストとして参加予定。

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