
「穂の国とよはし芸術劇場PLAT」が主催する、現役高校生がプロの演出家・スタッフと共に演劇を創り上げるプロジェクト。演劇経験の有無を問わずオーディションに応募でき、キャスト(演者)やスタッフ(舞台美術・衣装・広報など)として参加。稽古期間を経て同劇場で観客の前で上演します。

7回目となる今年は、地元の民話を盛り込んだオリジナル脚本『Yに浮かぶ』を上演予定。

名古屋、浜松など市外からも含め、20人以上の応募者の中から、オーディションで選ばれた高校生がキャスト・スタッフとして参加します。

平田さん:子どもの頃からお芝居を見に行ったりはしていましたが、本格的に始めたのは高校で演劇部に入ってから。このプロジェクトには昨年初めて参加し、今年で2回目です。
赤石さん:演劇は未経験で「楽しそうだな」という気軽な気持ちで応募しました。1年生の時に初参加して演劇の楽しさを知り、今年で3年連続の応募です。初めは発声の仕方など、もちろん経験者の子との差がありましたが、プロの演出家さんと一緒にやるのはみんなが初体験。大きな差を感じることはありませんでした。
キャスト・スタッフ応募者が数人ずつのグループに分かれ、即興で演じてみたり、ゲーム感覚で和気あいあいと進むワークショップ形式。後日、演出家によって作品に合ったメンバーが選出されます。
赤石さん:いわゆる「オーディション」という感じではなく、緊張せずに楽しみながら参加しました。
赤石さん:夏休み期間には、演出家さんが用意したメニューを高校生で集まって取り組む「自主稽古」があり、発声方法や身体の使い方を学びます。その後、台本に沿って行う「本稽古」が始まって、平日は学校終わりに18~21時まで参加。土日は10~17時まであり、週6日ほど稽古に励みます。
平田さん:私は昨年、稽古期間に学校の演劇部の練習が重なってしまい、週1~2回は稽古を休みながら部活と両立しました。演劇が好きでやっているから大変というよりは「楽しい、やりがいがある」といった気持ちが大きかったです。今年は受験勉強と重なりますが、あらかじめ対策をしておけば両方に専念できると思っています。
赤石さん:みんな、学校も学年もバラバラですが、稽古を経て千秋楽を迎える頃には、お互いに何でも言い合えるくらい絆が深まります。

プロのスタッフと共に多岐にわたる仕事内容で、キャストをサポートします。

当日の音響・照明はプロのスタッフが行いますが、希望者は練習時にプロの隣で仕事を見学・体験させてもらえることも。
赤石さん:「この役、どう演じたら良いんだろう?」といった悩みはありますが、一人で抱え込むことはありません。みんなに相談できるので、迷わず進める環境にあります。
平田さん:みんなが「一緒に創り上げていこう」という気持ちでいるので、悩んでいる子がいたらお互いに声をかけ合っています。また、上手くいかないときは、演出家の方々も伝え方を変えたりと根気強く教えてくださいます。
赤石さん:意見の違いは「そういう捉え方もあるんだ!」と受け入れ合う態勢。お互いの意見を尊重し合うので、ぶつかるということはなかったです。


赤石さん:演劇は“生”のもの。緊張感あるシーンは、役者から観客にも緊張感が伝わって、会場全体が同じ空気に包まれます。その瞬間は「来た!」と鳥肌が立つんです。みんなが同じ時間や感覚を共有するというのは、演劇ならでは。
平田さん:演劇は、映画やドラマのように撮り直しができないところが、リアルな世界に似ています。非現実的なことをリアルに表現できるのが面白い。そして、演劇を通して伝えたいメッセージをお客さんに届けることができるのが魅力。自分1人ではできないことだけど、みんなで創り上げる演劇だからこそ、できます。
平田さん:行動力です。自ら行動することで今年もこの企画に参加できたし、学校の部活では部長になれました。
赤石さん:コミュニケーション能力が身についたことが1番大きいです。伝え方や人との付き合い方は学校生活でももちろん学べますが、親や先生とは違う“大人”からも学ぶことができて、社会とのつながりを意識しました。それを、仲間たちと一緒に学べたことが良かったです。
PROFILE
高校3年生。2019年度『転校生』に続き、2020年度もキャストとして参加予定。
赤石さくらさん(右)
高校3年生。2018年度『滅びの子らに星の祈りを』、2019年度『転校生』に続き、2020年度もキャストとして参加予定。
