名城大学附属高校
現役高校生
岩佐麻椰さん
大塚彩矢さん
にインタビュー!
10年後の未来のために
私たち高校生にもできること
〜 ジェンダーレスな社会を目指して 〜

2人が取り組んでいる「SDGs」「ジェンダー問題」って? 「SDGs(エスディージーズ)」とは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。国連加盟国によって2030年までに達成すると定められた、誰一人取り残されない国際社会を目指す17の目標(ゴール)のこと。 貧困や差別、環境問題など17のテーマがある中で2人が興味を持ったのは「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」。性別の違いによって生じる差別や不平等をなくすことを目指しています。


興味を持ったきっかけは?

学校のカリキュラムを通して出会った講師の方にお話を聞いたのがきっかけです。調べていくと、アフリカのサハラ以南では、学生の女の子たちが生理用品を買うことができず、毎月数日間学校を休んでいたり、生理が来ることで大人とみなされ、結婚させられてしまう例も後を絶たないという現状が…。そうして十分な教育を受けられないことで、大人になってからも働きにくい環境に置かれていることを知り、自分たちにも何かできないか、と考えました。


2人が立ち上げたプロジェクトは?

岩佐さん生理用品が高価で買えないことが不平等の要因の一つであることに着目し、『布ナプキンプロジェクト』を発足しました。企業から無償で提供してもらったオーガニックコットンの切れ端を使って、手縫いで布ナプキンを作り、現地の女の子たちに届けました。

大塚さん:私は得意の英語を生かし、働いて自立を目指す女性のための『MFサイトの翻訳プロジェクト』※1を立ち上げました。融資を希望する現地の方のプロフィールを、日本人向けサイト用に英語から日本語へ翻訳します。15歳以上であれば翻訳ができ、2人1組で翻訳とチェックを行う体制をつくりました。※2

※1 MF(マイクロファイナンス):銀行の融資や貯金といったサービスが受けられない貧困層や低所得の人でも利用できる小規模金融サービス。 ※2 『Kiva Japan』というサイト。現在は日本語翻訳者を募集していません。

2019年12月には2つのプロジェクトを合体させたイベントを開催。宣伝広報から自分たちで行い、当日は他校生を含む52人が布ナプキン作りとサイト翻訳に参加してくれました。イベントを通してジェンダー問題が彼女たちの人生にどのような影響を及ぼしているのかを、たくさんの人に知ってもらうことができました。


その行動力の源は?

大塚さん:初めてSDGsを知ったときは正直、世界規模の膨大すぎる問題に、本当に解決できるの?と思いました…。
岩佐さん:でも、他校の高校生がオーガニックコットンを育てている話などを聞いて私たち高校生にもできるんだ!と刺激をもらいました。2030年には私たちは28歳…世界を担っていく世代です。自分たちだけでなく将来の子ども・孫世代のためにも、今から取り組むべき問題だという強い思いがありました。

岩佐さん自分の興味があることをとにかく誰かに話してみることが第一歩になると感じました。そうすると学校の先生が良い人を紹介してくれたり、親が新聞の切り抜きを取っておいてくれたり…良い情報にめぐり合えるんです!
大塚さん:名古屋駅近くの「国際センター」や「JICA中部」にも足を運びました。関連するNPO法人を紹介してもらえたり、SNSで#国際協力と検索するのも良い、と教えていただきました。
岩佐さん:「課題探究」という授業が週2回あるのですが、私たちの熱量は授業の時間だけではおさまらなくて(笑)
大塚さん:授業後や休日も使って研究しています。自分の興味がある分野だから楽しめるんです。


将来について

学生団体やNPO法人はたくさんあるので、大人になってからも国際協力に関わる活動を続けたいです。そのためにも、大学では言語力などを磨いていきたい。活動を通してプレゼンのスキルが身について、人に伝えることの楽しさを経験できたので、これからも“伝える”ことを続けていきたいと思います。

PROFILE
名城大学附属高等学校
国際クラス
大塚彩矢さん 岩佐麻椰さん
HP

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